『映画ドラえもん のび太と雲の王国』

映画・ドラマ

これはドラ映画で最低点だわ
昔映画館行ったやつでなんとなくは覚えてたけど
あらためて見返してみたら存外ひどかった
ほぼ褒める点がない

まず全体からして竜の騎士の劣化コピーなのよ(こっちが後なのに)

地底に未知の文明世界があって人間の環境破壊を憂いたり動物を保護したり
横暴な人類に鉄槌を下そうという形の
地底が雲上に変わっただけ

地底世界の方は未来の技術が入ってる建てつけが明かされる一方
雲上は移住しただけの同じ人類
雲が固まってて広大な敷地があってそこに上って地上のレベルを凌駕する文明を築いた
という鬼盛りの超初期設定にまるまる目をつぶっても存分にひどい

島の人や密猟者といった他人キャラの出番が多くドラえもんの活躍シロは少ない
天界の歴史紹介がつまらない上に長い
ゲストキャラの2人が竜の騎士同様仮面の大人で、比較するとだいぶ嫌な奴ら
閉じ込めたり外れない発信機つけたりしてくる(ともに事前説明なし)
というか天上人全般にヤバい

クリーンエネルギー技術あるなら提供してくれればよくない??
できないにしても環境保護の提言なり警告なりまずコミュニケーション図れよ
泳がせるだけ泳がせていきなり総攻撃とかロシアに劣る所業

さらにたまたま迷い込んだ子どもを証言台に立たせる、裁判に見せかけた私刑
お姉さんは理解者ポジションとってたけど
事情を知らない子どもにいきなりキレちらかすのは頭どうかしてる

下位互換竜の騎士をベースに
無理やりなメッセージ性というアニマル惑星の悪い部分を足し
良曲の主題歌を変に挿入するという宇宙小戦争の悪い部分を足した
ドラ映画負の総集編と言えます

そもそも雲すら生きてない
導入とラストの溶けてなくなる性質だけで
整地された文明社会には視覚含めまったく雲要素がない
序盤に太平洋真ん中まで行ったはずが日本に戻って来てるのは無駄に混乱するばかりで
一体何がしたかったのか

いい画があってメッセージ性があれば名作ってことじゃないのよ
メッセージなんて直接言えばいいんだから
ストーリーに上手く融合できなきゃただの押しつけ
です

もし
筋はめちゃくちゃでも楽しい気分になれる、っていうなら
そういう娯楽作品もアリだとは思う

本作に関してはつまらないかつ不快
最終的に胸糞悪い天上人対胸糞悪い地上の小悪党の構図になって
のび太一行蚊帳の外ですよ
正当防衛で人を殺すより自分が死ぬ道を選ぶという形も思想強すぎて
国民的子ども映画としてどうなんだろうか

ホイやキー坊の登場は知ってる子は喜んだかもしれないが
知らない子はやっぱり蚊帳の外感がある
子どもの頃見た私は後者だった

どこでもドアの時間移動機能は
天狗の抜け穴的不安定さを生んだと見れば魅力かもしれないが
じゃあタイムマシンいらねえじゃんって話で
やっぱりストーリー上の都合でしかない

そして株式の件は何のために入れたんだろ
全然意味がなかった
3万円で立派な機械が買えるほど
22世紀にかけてすさまじいデフレが起きる予言か??

なお
ドラえもんが鼻声っぽい件は
もともと鼻声っぽいので違和感が小さい

あとツイッターとかで見かけるハッとしたのび太の画は
どうやら本作が出典元

最後につけ加えると
環境保護や人類への警鐘そのものに反対するものではありません
むしろ私も同様のスタンスの侵略者を描いてる
素材ではなくあくまで調理方法への不満ということで。

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