『映画ドラえもん のび太とブリキの迷宮』

映画・ドラマ

怪作
機械の反乱によって追いやられた宇宙人たちを救うための戦い

謎のリゾートをパパが予約して
そこへ家族旅行しようという始まり方で
結局家族では行かないものの導入の形はクレヨンしんちゃん寄りのイメージ
主題歌のドラえもん感が薄めで
島崎和歌子という奇抜な人選がまたクレしん的

劇場版でよくある
遠い世界に友だちができてその危機を救う展開と対照的に
本作は初対面の時点で「助けてくれ」ってスタンスで来るw
ドラえもんを助け出すついでがあるからしょうがないが
やってることは傭兵・戦争請負人に近い

ゲストキャラの接触方法が最大のミスで物語に歪みを生じてるんだな
宇宙からやって来て助けを求める相手がただの小学生
まともな武器や戦闘能力は無い
スカウトした時点でドラえもんの存在をまだ認識してないため
本当に10歳くらいのただの子ども数人を戦力に加えて本国に帰る訳だ
(地球までやって来るレベルの科学力があるのに)

迷宮でのピンチに「君たちだけでも逃げろ」と言うのは一見熱いシーンのようで
考えてみるとスカウト時から戦力は変わらない(分散してるだけ)ので
戦力と期待するなら戦え一択だし
戦力と思ってないなら最初から連れてくるななのよ
もう支離滅裂

終盤「こんなにしてくださって」と胸がいっぱいになるシーンは
お前が来いって言ったんじゃねーかだし
その返答の「通りすがりの正義の味方です」も完全におかしい
だって通りすがりじゃないもんw

またメッセージ性も半端
機械に頼るな、でいいのかな
藤子F不二雄はもちろん映画スタッフに至るまで
機械が進化して生活必需品を作る人の割合を減らせたおかげで
大規模なエンタメビジネスをやれてることをどうお考えなのか

まず歩けなくなったのは機械のせいじゃなくて運動を怠ったせいだろ
ってか一代くらいの期間でそんなに退化する?

道具に頼らないのび太の意志も
長期的な成長の観点では適切と言えるが
見方によってはドラえもん本編の根本否定になり得る

あと前作では自衛のための武器すら否定する勢いだったのに
プレゼントされたおもちゃを武器に改造するのはオーケーってのは
ダブスタ感がないでもない

…と、
考えるほどいろんなことが気になってしょうがない一方
深く考えずに見れば見どころ満載なんですよ
実は

迷宮という冒険要素、敵のロボット属性
ドラえもんに頼らない戦いからのドラえもん救出・加勢
そのビフォーアフターによって頼もしさが際立つ
ロボットの街に偵察潜入するドキドキ感
ピンチからの劇的な巻き返し等々

個々の要素はめちゃくちゃいい
それを結び付ける建てつけが気になるか否かがすべてです

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なおサピオの皆口裕子は声質申し分ないんだけど
むしろ艶ありすぎて少年役には違和感あるなー

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