『キャロリング』

子供服メーカー(兼託児所)勤務の青年とそこに通う子と
サラ金業者の人たちを中心とした不幸の連鎖の物語(大げさ)

いい話でクオリティも確かなんですが
ちょっと成分が過剰というかサービス過多
それゆえに作り手のこなれた感や俗っぽさがないでもない

特に不幸要素が濃いため(半落ちの印象に近いかも)
劇中で「不幸を比べてもしょうがない」と言われても
読者としてはそれを終始見せつけられてる訳で
どの口が言ってんだと思わないでもない

メインキャラが思慮深く優しいのは平常運転
そんな人たちの不遇が際立って気をもみますが
希望もあって暗い雰囲気はナシ、むしろ人間関係はかなり快適そうな職場です

本作における問題の根源の1つとして
男の「自分より頭のいい・稼ぎの多い女はイヤ」観がありまして
個人的に昔からこれがまったく理解できない

一緒にいて成長しやすいし会話のキャッチボールは全力で投げられる訳で
つまりプラスでしかない
共働き・主夫・主婦の形態も状況や相手の意向次第で全部アリですね

そもそも男が優れていなければならないって発想には失礼な先入観がないでしょうか
優劣で語ることの是非は置いといて
どっちが優れてるかなんて五分五分でしょ
もっと他に気にすることないのかっていう

何も知力とか財力に限定することはない
自分の世界を広げるチャンスは多い方がいい
たとえば私は元嫁経由で知った音楽を今も好んで聴くし
元嫁経由で知った有川浩を今も愛読している(すごい無駄情報)

まあそんな訳で本当に頭のいい女性はモテないのか
モテないのは本当に頭のよさのせいなのか見直した方がいい(すごい無駄暴言)

一人一人キャラが立ってて
威嚇した後全力でフォローするチンピラはまるで吉本新喜劇です
主人公の性格イケメンっぷりもお家芸

一方近い人物間でも視点が移動するのはわかりにくくなるしあんまり美しくない
そこは少々らしくないかな。

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