久々に新しく摂取したガンダム
やっぱり(だいぶ未来でもいいから)宇宙世紀であってこそガンダムだわ
ニュータイプに対抗するコンセプトやリミッター解除で一定時間無双するあたりは
ブルーディスティニーを彷彿とさせる
本作は宇宙世紀の起源にもがっつり関係する、
ファースト~逆シャアの流れを把握して見るべき内容であるからか
ものすごいゆとり仕様
丁寧に繰り返し解説を入れるだけでなく
普通の少年である主人公バナージが実は重要人物の家系で
たまたま超重要人物であるミネバと出会って
たまたま重要なガンダムに乗って
機体が特殊なおかげで素人なのに戦場で活躍できる
パイロットの設定をロックされたため軍人に取り上げられることもない
しかも軍人じゃないおかげで警戒されないのか
敵対する連邦とネオジオンの両陣営をカジュアルに行ったり来たりしながら
鍵であるガンダムに導かれ
歴史上の重要機密であるラプラスの箱に迫っていく
もう宇宙は君のために存在すると言わんばかりの至れり尽くせり
これだけお膳立てしてやれば初見で無関心な子どももついてくるだろう
ってコンセプトなのかな
(まあ戦意なくフラフラしてる点については
なりゆきで戦場にいる以上自然とも言える
部下もいる軍人なのにフラフラしてたシローのヤバさを再認識する)
しかしそのへんは作品の傾向、好みの領域であって
別にダメということではない
宇宙世紀シリーズの直接の設定・流れとガンダム世界観の要素をカバーしつつ
一連の出来事を希望ある形でいったん締める
(遠くない未来にマフティーが現れる訳だが)
難しい仕事をバランスよくまとめたなと
ラプラスの箱に辿り着くまでの旅でしかないので
OVAの尺でいいんじゃないのとは思うけど
既にOVAを作った上での企画ってことなら
拡張版として楽しめばいい
ニュータイプの察しが良すぎる点も
より進化が進んでギャザースタイムへ向かう過程にあると解釈することは可能
(未来のF91なりVとの整合性の問題はある)
ただセリフ回しが全体的に芝居がかってて
それにつられてか演技もくどめの印象
元の小説に引っ張られてたりするのかな?
それに
わざわざシャア(とアムロ)退場させたのに
シャアみたいな奴また出すのもいかがなものか
フルフラットみたいな名前で
あと戦争は憎しみの連鎖を生む的な空気感も
考えてみるとそんなに長期間・組織的なデカい戦争はやってないんだよな
ボトムズの世界じゃないんだし
まだ何とかなるような気がする
また過剰にわかりやすさ重視して見える一方
連邦・ネオジオン両陣営とも2つに割れてのごちゃごちゃは
結構わかりにくかった
一番気になったのはフルフロンタルの扱いだな
コロニー落としより、アクシズ落としよりずっと平和で地味な策を提示してるはずが
お子たちに全然響かない
いやいや、
犠牲やリスクを伴う考えが必ずしも悪いとは思わないし
ハマーンの英才教育で冷徹に育ったミネバが言うならわかるよ?
でもお前ここまでずっと「人命は地球より重い」くらいの平和一辺倒でやってきたじゃん
そのお前がなんでフロンタル下げのシャア上げなんだよ
支離滅裂すぎんか
ミネバと同調しつつなよなよやってきたバナージについても同様だ
フロンタル嫌いだから何を言おうが反対、ってことなんか
コロニー共栄圏構想がすばらしいかはともかく
少なくとも誰もこれより人が死なないプランを提示できてはいないよな
終盤
私情で暴挙を重ねてきたリディと組んで(しれっと味方側にいる!)
無益な戦闘を回避するフロンタルと戦う場面はどうにも解せなかった
2人のポジションが逆に思えてならない
リディがもう究極のゆとり
甘やかされてたくさん心配してもらって
それでも無意味な暴走と迷惑を重ね続ける
主人公のライバルにも相棒にも役者不足なダメ人間よ
勝手にヤンをライバル視してるけど
ヤンからは何とも思われてないアンドリューフォークというか
いい大人なのにカツコバヤシというか…
架空のキャラに対してであっても「お前が死ね」とはあんまり言いたくない
だからずっと家で寝てろ、外に出てこないでくれ
血の重みを背負ってきたってのもウソだよ
秘密がバレても家の繁栄が脅かされるだけで
世の人々が困る訳じゃない
その点に関してはサイアムビストも同類だ
なんで「厄介な呪いを抱えてきた」感出してんの
それのおかげで一介のテロリストが財団の主になれるほどウハウハだったんだろ
最後の演説でミネバが
「秘密を守ることは平和を維持するためやむを得なかった」みたいに言うのも
じゃあなんで今公開するんだって話になる
「守られるのは財団の利益だけだ」と言い放ったアルベルトがまさかの一番まとも
ちなみにプルシリーズは全員同じDNAなんだろうか
そうすると大人になる年齢までは生きられたことになる
本多知恵子がやってもよかったことになる
鈴置洋孝といい
キャラ的に出られる人の方が亡くなってるのは皮肉だなあ
そして永井一郎のキャスティングは感慨深すぎる
「ことの始まりを見せよう」って場面でBGMにビギニングもってきたのは最高
最終話本編の前にアホなノリで1話からのまとめ入れたのは最低でした
オードリーバーンは名乗る途中にしゃっくりとかしたら
オードリーヘップバーンになるな
まさかそれが由来だろうか
ついでにあの空気椅子は何だったんだろ。