『機動戦士ガンダム 第08MS小隊』

映画・ドラマ

昔見たガンダムを再度見てみた
だいぶ覚えてなかったしだいぶ印象が違う
今はOPがTVサイズに縮んだのがわかるし
「ガンダムがこんなにたくさんいていいのか」と疑問をもてるようになった

まずこんなに脱いでる印象なかったもん
ファーストのTV版見て「セイラさんの入浴こんなもんだったっけ」と違和感覚えるくらい
劇場版覚えてたのとはエラい違いだ
私もシロー同様キキは対象にならなかったんだろうな

さて
本編がほぼ素人の寄せ集め、0080が敗戦間際ジオンの独立部隊ってことで
軍隊・組織っぽさが見える1年戦争を描こうってのは順当で
加えてララァとバーニィがあんな感じになったので
敵味方の男女が打ち解けてハッピーに終わろうって方針も頷ける

しかし大人になって冷静に見るとどうにもチャラいというか
「何やってんだお前ら」と呆れることばかり

別にロボットアニメを厭戦カラーで作ること自体はいいのよ
それこそ0080とか痛烈に皮肉って終わるけど
各キャラの動きに違和感ないから見入れる(むしろイチ押し)

とにかくシローの心情が追えない
ジオンが憎いはずだったのにアイナと風呂入っただけで一気に厭戦に振り切ってしまう
はっきり描かれなかっただけで実際は三日三晩愛し合ったくらいの設定なのか?
(からの軍法会議とミラーズリポートっていう)

そもそも戦争の中の一局面で何か言っても敵は撃ってくる訳だし
仮に目の前の敵とわかり合えても両者前線から外されて別の兵士たちがやって来るだけ
休戦に向けたヴィジョンもなく感情のままに戦闘を放棄するのは
無益なのはもちろん仲間の命を危険にさらす有害行為です
アイナにもその傾向が見られる

アストラギウスでもはや理由のわからない100年戦争やってる中
一兵士に生まれた小さな疑問の種、みたいな状況なら
まだ模索し始めたばかりで非合理な行動しちゃっても気にならないよ

でもここは真逆じゃん
死の商人が安定して潤ってるどんよりした世界観じゃない、
人類の半分死ぬ衝撃の事態から間もない大混乱の中なのよ
普通「わかり合える」とか悠長な言葉は出てこないって

シローとアイナ以前に
ストーリー書いた人がガンダムの基本的な前提を理解してないんじゃないかとさえ思える
悪者にされてる、戦いをやめない軍人たちの感覚の方がよっぽどまともです

反戦傾向のある主人公でいくにしても
振れ幅を小さくするなり自然な変化を見せるなりしてほしかった
仮にも少尉・小隊長になるだけの実績がある設定じゃないですか
一人の人間として人格が安定して見えないの


素人パイロットが乗ってもシャアに負けない化け物MSであるはずのガンダムが
なぜか大量にあって一兵卒が乗ってる点については
商業的な要請だろう、と目をつぶれるとしても
機体ごしにガンガン敵と会話できてしまうのはどうなんだろうか
たかだかストーリーの都合でニュータイプの領域に踏み込んでいいのかなあ

またカレンとサンダース(ついでにトップ)は声優が末端兵士の格じゃなくて
無名の若手じゃなくてもいいがもうちょい下げないと
甘ちゃんシローの下にいることに違和感が出る
まあそれは劇中のことじゃないとしても
エレドアとミケルはもっと人並みに戦意がある方がよかった
でないとシローの理想主義キャラが立たない
隊長を甘ちゃんと呼ぶエレドアはもう誰が言ってんだ状態です

さらにキキの存在まで緊張感がない
ただでさえロボットアニメに合わないガチ恋やってるところに
当て馬もってきちゃった食傷感ね
ただでさえ尺の短いOVAでだぞ

何ならゲリラ関連まるごと削ってもいいくらいよ
その分小隊の結束強まるエピソードでもサハリン家・ノリス・ユーリを掘り下げるでも
何かしら作品の厚みを増すことに使える
ゲリラ残すにしてもせめてシローの人間性なり活躍を見せるために使うのがいいわ
お手軽な一目惚れは要らんのです

それでも個々の要素に見どころは多々あるので
友だちと茶々入れながら楽しめばいいのかな~

なおラストリゾート作る予定あったなら
震える山のラストで二人の生存見せたのは完全に蛇足

そのラストリゾートはククルスドアンと対比して見ると
孤児たちほっぽって去った上ちゃっかり子どもまで作ってる二人の自由さが際立つ
とことん感情のままに生きたんだなあと感じられていっそ清々しいですねw

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