『映画ドラえもん のび太の創世日記』

映画・ドラマ

イメージビジュアルは「卑弥呼さまー」の髪結いで日本誕生を連想するが
地底に虫の文明がある点は竜の騎士
箱庭から脅威が出てきちゃう点はパラレル西遊記
最終的に思想強めの雲の王国に行き着く
つまり雲の王国で反省はしなかったんだなとわかる

のび太が夏休みの自由研究で宇宙を創る際
アクシデントによって虫が進化して
人類を脅かすまでになる話
特にアクシデントはなくても虫は進化してたし
南極まで行かなくても地底世界の入口はそのへんの川底にあったけどね

茶化しはともかく
すべてにおいて設定がおそろしく不確定なんだな

まず未来の道具を使った自由研究、学校に提出できるの?
提出できるとしたら今度はパパママに隠してることがおかしくなる

また道具の性質が
ランダム生成型なのか地球の歴史を踏襲する設計なのかはっきりしない
ドラえもんによる世界への干渉も
説明書どおりの行動なのか独自アレンジなのかはっきりしない
「自分が作ったせいだ」と不完全な世界をのび太が詫びるけれど
これといった過失はなかったように思う(贔屓はあった)

そしてこの映画そのものが
人類の歴史・童話・昆虫文明のどれを見せたいのか中途半端だし
外側(現実世界)にまで出てくる要素は完全に要らない
広げたものの何も包まずに閉じた風呂敷状態です

最後はまた極端な人類批判
人間は悪、それ以外は善という価値観が前提にあるせいで
ただの生存競争すら人間の非道扱い
より高い文明があるはずなのに対話・交渉を試みることもなく
全面攻撃かけようとするのは悪じゃないというのか

神のいたずらがなければ地上は私たちのものだったって言うけど
神のいたずらがなければ昆虫も進化しなかったし
なんでタイムマシンまであるのにそこ把握してないんだよ…

といった大人目線のモヤモヤを除けば
歴史に登場するのび太たちのそっくりさんが見られて楽しいかも
ただしのび太たち本人の出番はその分少ないので断言できない

なお歴史要素にしても
“権力者と抑圧される弱者”という解釈が一貫してあって
大半どんよりした空気が漂います。

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