『映画ドラえもん のび太と鉄人兵団』

映画・ドラマ

映画館でドラえもんを観たのは日本誕生からだったか
それ以前のも子どもの頃ビデオ借りてコンプ済みだが
そんなしっかり覚えてないし再度見てみた
めちゃくちゃよかったw
この際古いやつ全部見返そうかな

なんだろう
もう全部これでいいじゃんっていう

鉄人兵団のリメイクが要らないとかじゃなく
ドラえもんの新作なり映画全般の新作の前に
子どもにはまず過去の名作与えてやった方がよくない?

昭和の名作ってシンプルかつ深く刺さるのよね
だから余白もじっくり味わえる

本作の場合宇宙からロボット軍団が地球征服にやってくる訳ですが
ドラえもんの世界観との融合が見事

様々なロボットアニメのヒットに藤子F不二雄自身が感化されたか
各方面からの商業的な要請に応えたか
いずれにせよお題に対して120点の回答と言えます

まず日常アニメが劇場版で大冒険をする場合
主人公一行が世界の注目集めちゃうとTV本編との整合性で都合が悪いので
「大活躍したけど、一握りの当事者しか知らない」形にするのが常套手段です
人知れず地球を守った的なやつね

しかしロボットが大挙して押し寄せるところに
巨大ロボットで立ち向かうのを人知れず行うのは無理がある
そこに鏡の中の無人世界という
元からある設定(道具)がジャストフィットしてる
激しい戦いと街の崩壊をひっそり行うことができる

また巨大ロボットをいきなり手に入れて自由に使えるというのは
急すぎて説得力が出にくい
加えてドラえもんの道具として出すと非日常感が弱まる上
今後もずっと持ってる状態になってしまう
(まあ映画のラストで破壊すれば済む話ではある)

これをデアゴスティーニ方式で段階的に出現させることにより
視聴者を徐々に慣らしながら進められるだけでなく
個々のパーツが大きいものを組み立てて
全体のさらなる大きさを体感させることができる
ついでにロボット定番の合体感も演出できる

パーツを鏡の世界に運び込んで組み立てた結果
完成形では出入口を通れないボトルシップ状態になり
これもストーリーの中で有効利用してる

かといってロボットが目立ちすぎるとドラえもん感が薄まってしまうところ
生身でもしっかり戦って存在感と緊張感を見せる
それどころか戦場から遠ざけたしずかちゃんが単独行動することで
メカ一辺倒じゃない叙情的な物語に仕上がってるのよ

でもシリアスに・湿っぽくなり切らないんだな
悲しさと危機感で揺さぶる一方明るさと笑いも効いてる
あとキャラの芯の強さ
とにかくバランスのいい、非の打ち所のない国宝エンターテインメントです

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しかし実際よく覚えてなかった訳で
大人になってやっと深く刺さるってのは子ども向けアニメとしてまずいのかも…
単に私の感性が乏しかっただけだと思いたいw

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