『死神の精度』

傍観者の立場は楽しい
緊張感ある場にリスクを引き受けず参加できるのはおいしい
そんな身勝手な願望を満たしてくれる死神視点のオムニバス

ジャンルとしてとっつきやすいけどどうもチャラいというか
ラノベ界に任せとけばいいじゃん感はある
これが人間を殺したくて仕方ない死神とか人間に同情して涙が止まらない死神だったら
まだ幾分目を引きますよ(ただしコメディには寄る)
ドライで無関心な死神ってテンプレだよなー

守備範囲が事故等の突然死だけと設定することで
「億単位いる人間一人一人チェックするの?」という突っ込みは回避できる
一方お店に入り浸って音楽を聴く点については
古代から外国含め出現する設定とイマイチ噛み合わない
人類史の中で音楽試聴できる時代と地域はまあまあ限られてくるぞ

まあなんだかんだ楽しく読めるし
使用圏外から見た日本語の違和感とか
各物語のリンク、謎の提示や死神を有効利用したシチュエーション等
作家らしい仕事ぶりも随所に感じられます

言うほど悪くない
ちょっとチャラいだけです。

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