『裁判の原点 社会を動かす法学入門』

やや踏み込んだタイトル
そもそもの裁判の位置づけと世間の認識のズレから語る点で初学者向けと思われるが
内容は硬派でなかなかエネルギーを消耗する
まあ法律って理屈の組み合わせだし(たぶん)
真面目に書くとこう仕上がるのは必然か

また架空の質問者と会話する形式は寒い印象になると予感させたものの
ほとんど相槌程度で邪魔に・苦にならない
(逆に言うと会話形式にする意味があったのか疑問ではある)

パフォーマンスとして裁判をやる人たちの分析や
消極的と思われがちな司法が立法を促した事案等の具体例が豊富
海外との比較も随所に

「裁判がすべて正義を実現してくれる」という漠然としたイメージを脱して
何ができて何ができないのかの理解へ踏み出す、
社会の根本を捉えることにもつながる小難しい一冊です。

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