『言葉ある風景』

小椋佳がラジオでしゃべった話を書き起こしてまとめた一冊
祥伝社黄金文庫っていうまるで聞いたことないとこから出てます

作詞・作曲に加えて自ら歌も歌ってる方ですが
言葉にこだわりをもって活動してきてるからか内容がほんと豊富
井上ひさしとか昔の物書きさながらの、様々な言葉に関するエッセイです

特徴はその知識量と歴史への敬意、一方で変化や新しさを拒絶しないバランス感覚で
口うるさいオヤジと思われないよう配慮してるのが伝わってきます

まあ私も言葉にはこだわる方なので肩入れしたくはなりますw
こういう歳時記みたいな本に触れる時間が、現代人にはあっていいと思いますよ

1か所気になったのが終盤の引用、
「戦争は、他の手段をもってする政治の継続である」を権力者の戦争利用のように
読み取ってるところ

オリジナルの意図もそうなのかもしれませんが、
戦争が政治(外交)の手段であることは客観的な事実です

それが避けるべき手段であるというだけの話で
手段として検討することすら許さないというのは危険な極論です
警察官が拳銃持ってると危ないから所持禁止にしよう、っていうのは暴論でしょ
どうやって平和守るんですか

この世代は戦争の反動が強く出てて現実・すぐそばにいる脅威を無視しがちです
抑止力について語ったワシントンのことも軽くディスってますが
独立戦争やった時代の人に武力を否定する言葉を期待する方がおかしい
ズレてるんだなあ

これが上の世代に珍しくないスタンスであることを考えると
改憲はまだまだ遠いと再認識します。

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