『R.P.G.』

ネット上で疑似家族を演じてた人たちに起こった事件

おなじみの社会派テーマながら
舞台芝居さながらにほぼ終始取調室で展開する点は異色
模倣犯(未見)とクロスファイアのキャラの出てくる書き下ろしって点も含め
初めて宮部読むにはちょっと不向きかな

掲示板とかに「お父さんだよ」って人が登場したらそれに乗っかる流れがリアルで
現実の不足をネットで充たす傾向と合わせて
あり得るなあって唸る内容です

そんな具合で目まぐるしい展開や複雑怪奇な謎はない作品ですが
ちゃんとそれが味になってると思います
おっさんの先輩にネットの基本事項説明する図は時代を感じますね(今も?)

ちなみに解説が洒落てたり的確だったりと好印象で読んでたら
肝心のタイトル、RPGの意味が間違ってる…
直訳の役割を演じることでいいんだよ
外来語とはいえ、コンプレックスを劣等感と訳すようなミスを
言葉のプロがやらかすのはちょっといただけない

っていうか担当なり校正なり誰か気づくだろ
指摘してやれよー

そういや乙一の天帝妖狐(A MASKED BALLの方)の解説で
ネットが普及していろんな小説の題材になるだろうけど
掲示板ならわざわざパソコン登場させなくても書けるぜと言わんばかりだとか
そんなことが書いてあった覚えがある

これはまさにそのネット時代に真っ向から取り組んだ作品、てことになるかな。

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