異人館村殺人事件 延長戦

マンガ

収まりきらない考察的なやつ
思いの丈をいろいろ

若葉を殺した理由

相思相愛なんだしダメ元でいけるところまで逃げるなり
若葉だけ(または霧子も)生存させる選択肢はあったはず
そもそも当事者じゃない上
例のアリバイトリックもまったく不可欠なものじゃない

母の遺志が一族皆殺しで
それに逆らえなかったという見方はあります
ただ私はこれには否定的で

さすがにあんまりだという感情的な理由もありますが
注目したいのは竜一の言葉の
「(風祭に対して)あんたも同罪と思うが母さんが言うから見逃してやるぜ」的なやつ

結論は指示通りでも
普通に自分の意思意見があって
どっちを取るか判断することができてる
命令に逆らえないロボット状態ではなかったように見える訳です

たとえばお相手が五塔夫人とかだったら葛藤した可能性大ですがw
若葉にはもし指示あっても背くでしょ

そうすると復讐を終えた後二人で逃げることを一度は検討したはず
そうしなかったのはシンプルに逃げ切れないと思ったか
もう逃げ隠れして生きることに疲れたあたりかと
生まれてずっとそうやって生きてきて
復讐という唯一の原動力もなくなりますからね

当初若葉(と霧子)のことはどうでもよく思ってて
ついでに死んでアリバイの役に立ってくれくらいのつもりが
やっぱり生きてほしい、と方針転換することを考えた

きっとそんな竜一に対して
「一人で死なないで
一緒に行こう」って伝えたんですよ若葉が

もちろんはっきりとは言わないよ
心が通じ合ってるから自然と伝わるの

それで結局若葉の死も組み込まれてる当初のプランをそのまま実行した
真相はこんな感じです

(…いや実際のところは知らんけども
空白部分を推測・想像するのは二次創作の醍醐味ってことで)

この悲しい物語も犯人たちの事件簿化してちょっとは笑えたり
冥界で元気な姿見られるかなと待ってたらスルーされてしまったため
なんとかしなきゃと思った次第です

教師になりかわる是非

ただでさえ先生は大変で
なりかわりとなれば輪をかけてきつい

しかも学校って結構人数いるから
(教科)担任や部活顧問でめぐり合わせないと
せっかく潜入したのに目当ての生徒とろくに接触できない
ものすごい徒労に終わるリスクがあります

しかしうまいことはまれば自然な形で長く一緒に過ごせる
禁断の関係もあって好印象を獲得しやすい

…と考えると近所のお兄さんや通りすがりの人としてアプローチするのに比べて
ハイリスクハイリターンと言えそうです

ミイラに関する誤解

殺人の証拠、というか死体そのものだから
各々隠し持ってるイメージでいたわ
当事者が口外する訳ないので
ミイラと館の対応関係は一件ずつ侵入して確認したのか、と(やりかねんけど)

公言しちゃえば“発見される”リスクは避けられるものの
“まる出し”なんて慢性的に恐いよなあ
使用人もいるような家で「前からずっとありましたよ」と
しれっとフェードインさせるのは大変だったでしょう

招かれざるすぎる客

未成年に手を出した・しかも教師の立場・許嫁スタンバってる、のトリプル役満
若葉がアシストしたとはいえ本当によく家に入れてもらえたと思う
門前払いはもちろん5、6発パンチもらっても文句は言えない立場よ
宴に出席させた上泊めてくれるなんて若葉父、神対応すぎる(人殺しとは思えぬ)

なお計画通りアリバイ成立させるには宴出席はマスト
アポなしで当日夜ですよ…すげえ綱渡りだ

金田一&美雪は竜一への注意(敵意)を分散させるために
元々呼ぶつもりだったのかもね

ついでにPTAの処罰にやたら偏りがあるのも謎
なんか手を回したのかとも思ったが
むしろクビになった方が動きやすくていい気がする

連城という男

覆面はミステリにおいてチートアイテムになり得ます
露骨に怪しいと見せかけて結局何でもない善良な人、という前例を初期に作ったのは
何気にシリーズ全体のバランス的に有意義だったと思う

ただ彼まで死んだことでもう皆殺しの富野作品みたいになってしまった感はある

案外軽視できない血文字

霧子に書いたのは若葉で
筆跡が違うことに気づかれるとトリックが綻ぶため
筆跡がわからないよう、かつ恐怖感が出るよう
事前に一緒に練習したのかなと思うとちょっと微笑ましい(?)
俺は一人で試行錯誤したのに、と有森が嫉妬するわ

要らなかった密室

ここで詳しく述べるとしよう
これ言ったら世の中の密室は結構あてはまるのかもだけど

普通に考えて犯罪の理想形は「疑われないこと」です
事件性がないと警察に思わせる等、偽の結論に誘導するのがいい
密室なんか作ったら「なぜ密室なんだ、解かなきゃ」ってなっちゃいますよ

この事件に関してもアリバイ作りという目的は果たせるんだから
入口壊して出入り可能にした方が断然いい
「関係者は皆アリバイあるから外部犯だな」って自然となるでしょ

結局探偵に解かせて遊ぶための魅せプレイ以外の何物でもない
芸術的な殺しを掲げる特殊な犯人ったって
若葉の死体でだけは遊ばないでしょう

結果的に写真の方からボロが出ましたが
「この方法なら密室を崩せる」と気づかれると同時に
「若葉に全面協力させた奴が犯人だ」と大ヒントを与えることになるため
金田一にこの謎解きを与えちゃダメですよ

何度も死にかける美雪

火事の中放置されたり人質にされたりした一方
竜一が五塔夫人を殺しに来なければ死んでました
その意味では恩がある…
そもそも村に来た経緯考えると恩でもないか

六星君の名は

戸籍がない以上本名という概念から危ういですが
竜一の名前は本人と母、ギリで父しか知らないため
調べてもわからんだろってコメントを見た覚えがあります
確かにその通り

仮にご近所づき合いで名前を教えた相手がいたとしても
このスピードで警察辿りつかんわな

いちいち「詩織の息子」呼びだと語呂が悪いという制作サイドの事情と思われ

復讐が遅い件

四半世紀経っちゃってるもん
草薙はボケるまで生きたし
時田も金田一のせいでのショック死じゃなければ
寿命が尽きる直前まで生きたと言える
これはこれで勝ち逃げに近い

ある意味元凶

じゃあなんで時間かかったって
オカンが素直に警察に行って合法的に裁かなかったからよね
(百歩譲って自力でやれよなんだが
もう妊娠出産態勢でその後もいろいろあったのでしょう)
そうすれば竜一はちょっと訳アリなだけの
普通の子として普通の幸せを手に入れる道があった

シリーズ中の犯人でもずば抜けて過酷な生涯ですよ
生まれたときから一度も社会のレールに乗ってない
ただ親の復讐のために生まれ、生き、そして死ぬ
(期間限定で見れば決死行の巌窟王も相当ハードながら
彼にはたぶん戸籍があるし希望のある結末を迎えてる)

犯人が結構な率で死ぬのが金田一少年の特徴ですが(コナン君にディスられたよ)
基本的に成り行き上の結果的な死であって
彼のように最初から犯行の成否に関わらず死ぬ前提で臨んだ人はいないんじゃないか
あっても病死か自首くらいなのでは
※いないこともなかった(参照ネタバレ注意)

そんな竜一の凍てついた魂に寄り添って
一緒に行ってくれたのが若葉だった訳で

オカンは純然たる被害者ですが
子にとっていい親だったとは言えないよなあ…

ただ時田たちが逮捕される世界に若葉は生まれてこない
生まれてきた世界線でも束の間の時を共有できただけで
どちらが良かったのか、選び直せるとしたらどうするか
なかなか答えは出ません

【金田一少年】犯人たちの事件簿「異人館村殺人事件」勝手に描いてみた

そういや輪っかはあえて描きませんでした
なんかしっくり来ないというか、違う感じがした

流用の件を除いてもいろいろ狂ったエピソードなようで
金田一少年の事件簿の本質をディープな愛憎劇ととらえるなら
1つの最高傑作と言えるのではないか
(まあ贔屓は込みでw)

そしてMAD作るならやっぱりウタカタが合うかなと。

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