『バンオウ-盤王-』

マンガ

将棋シーンをどう描くか見たくて見てみた
残念ながら戦術の詳細はナシ
読んで得られる知識は竜王戦の形式くらいです

初心者の物語だったら駒の動きや詰将棋あたり多少やれるのかな
やはり高度なせめぎ合いとなると作者の頭脳が追いつかない
そこ監修入れても表現するのが難しい
仮に表現できても読者の頭脳が追いつかない
…と、とにかく攻めづらい領域であると思われます

作品としての評価は
おそらく分類によってガラッと変わってくる特殊タイプ
本格ストーリーマンガとしては厚みが足りないが
コメディに軸足置いてると見れば爽快で大満足
競技の詳細を描かないまましっかり熱くする見本としても◎

というのもキャラ(棋士)たちが激しい戦いを繰り広げる一方で
読者側にはほとんど負荷がない、ノーストレスなんです

長年将棋の腕を磨いてきた吸血鬼が
ひいきの将棋教室存続の費用獲得のためアマチュアから竜王戦に挑む話で
基本いい人しか出てこない
まず主人公が努力の人で礼儀正しく、棋士たちへのリスペクトに溢れてる
(日中の体力消耗が激しいせいで死闘感を無理なく表現できるのがナイス)

キャラが負荷にならないことに加え
将棋の内容への踏み込みはナシ
主人公が冒頭すでに人格者なので内面の伸びしろが少なく将棋も冒頭から強い
竜王戦の間だけの物語なので世の中の大きな変化もない

悪そうに次々登場するキャラがことごとくいい奴だったり
主人公大好きだったりする形はアクマゲームを思い出す
でもあれはメインの頭脳戦で消耗する中での息抜き・メリハリ要素なのよ
こっちは終始息抜けます

芸人にたとえるとティモンディ高岸あたり
大役MCを任せるのは心許ないものの
一出演者としては好感度しかないイメージ。

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