『EVE new generation』

ゲーム

いやー実に盛りだくさんでした
とりあえず一言で述べると「やりすぎ」
料理なら完全に皿から溢れてますね

EVEシリーズといえばADV史に残る伝説の初代burst errorがあり
暗黒の歴史The Lost One
後味悪いだけでよくわからなかったThe Fatal Attraction、ZEROをプレイしてきました

剣乃の作った初代以外いらんって声の中に「でもnew generationはよかった」ってのもあり
シナリオ打越鋼太郎で2作目以降なかったことにしたなら
そりゃそれなりに仕上がってるだろうと期待をもって着手

私の中で打越鋼太郎のイメージってクリストファー・ノーランに近くて
すごく興味を惹く入れ物を用意してくれるんだけどなんか中身が物足りない、
でもまあトータル面白いから結局見るみたいな…
なんて思ってたら『メメント』彷彿の入りから
がっつり『プレステージ』調に展開して確信を深めるに至りました
(しかもプレステージにインスパイアかと思いきやこっちがちょっと早い!)

またEVEシリーズとして見ると
確かに初代のテーマやテイストを継承しつつ
がっつり自身のinfinityシリーズ(Ever17など)に引き込んだなあって印象

突っ込みどころもいろいろと思ったんですが
なんか不毛だし多いし大きい視点で整理しましょう

まずよかった点

・シナリオが練られてる

満足のボリュームと複雑さに蜂というシンボルが存在感を放ちます
数字で遊ぶ人なので「まさかそれで8月を舞台に?」と穿ちましたが
祭りの日付を見て合ってると確信しました
ナイスミドルやお風呂、隣室など初代の要素がふんだんにあるのもナイス

・ちゃんと謎を解いてくれる

そんなの当たり前だと思われるでしょう、
いやいやEVEシリーズは初代からなんだかあやふやでハッキリしないのが伝統なんです
さんざん謎を積み上げる様子にハラハラした後
ちゃんと自分で始末してくれて本当にホッとしましたw

・文章のセンスがいい

セリフや地の文の遊びにも初代の味が生きてる…どころか
超えてくるようなウィットもちらほら
Ever17などの日常パートのつまらなさから見ると信じられない進化で
腕のいいアシスタントがやったんじゃないかと思うほど(失礼)

・ヒロインがいい

ヒロインつーかシリーズに毎回庇護対象の子どもが登場するんですが
歴代で1番好きですね
くどくない、飄々としてるようで繊細さと意志の強さがある
名塚佳織の声もよかった。こんな川田妙子みたいにしゃべれるとは(それは褒めてるのか)

・グラフィックがリアル寄り

きれいかつアニメ色薄めで内容に合ってる&ほどよく動く
実写活用のOPムービーもクール

次によくなかった点、ある程度表裏一体で

・シナリオ練りすぎ

ひねりすぎでキャパオーバーになります
特に双子の真実あたりはクリア後の特典に解説表ほしいレベル
どんでん返しは量より質が大事なんだなと再認識しますね

でキャラが知った真相をプレイヤーにすぐ見せない、引っ張るのは常套手段ですが
これだけたくさんある謎にいちいちやられると
「ああもうわかったからさっさとしろ」と苛立ちしか湧きません
俺たちは情報を交換し共有した、ってまだプレイヤーが共有できてねーんだよ!と

あと過去の事件が強く絡んでくる展開は
過去作と混同するためシリーズものに不向き

・謎に無理がある

その目的のためにこんな大がかりな仕掛けいらんだろと
要は謎のための謎になってるんです
ただこれは剣乃にも同じ傾向があり、踏襲してるという見方は一応可能

また多重身体という超科学を描くのと同時に
別の超科学のフェイクやって解いてみせるのは最悪の組み合わせ
リアルの境界ぐちゃぐちゃになるから

・謎に禁じ手がある

マスクで別人に変装するのはルパン3世みたいなファンタジーだから許されるのであって
リアル系ミステリでやっちゃダメでしょ(特定の人になりかわるのは特に)
アリバイ・目撃証人何でもアリになるもんね
ただこれも剣乃が同じことやってるから一応(ry

あくまでリアルワールドでやってますよって言い張ってるけど
「十分はみ出してますよ」って指摘したくなる感じはリアルアカウントと同様です
薬で時間調整までして記憶を消去できるとなるともうSFです

・セリフに「1つだけ訊かせて」が多すぎる

定型句だから自然と出てくるんだろうけど通して見たら異常な頻度。とてもくどい
推敲する時間がなかったんだろうか
『クレイモア』のセリフに「悪いけど」がやたら多かったの思い出したわ

システム面も少々

話が進む場所では移動メニューが出なかったり
サイトチェンジしないと進まないポイント教えてくれたりするのは親切

一方会話を進めるための操作が散らしてあるのは足止めでしかない、
古い時代のADVの悪習です。心底うざかった
残すにしても探索シーン限定にするべきでしょう

まとめると期待は裏切らなかった、しっかり熱中できたものの
やっぱりノーラン的なモヤっと感は残った(もう和製ノーランでいいかな)
ADV好きにしか勧めにくい作品ではあります

まるで人類がアドベンチャーゲームを飽きるほど遊び尽くした未来で
ひねりに次ぐひねりを追求した結果生まれたかのような
まあなんだかんだ語りたいことたくさんあるのはいい作品の証ってことで

ちなみに小次郎・まりなとも一蹴した初海の理想
私は同意できないまでも考えてしまうものがありました
プレイした皆さんはどう思われたでしょう。

今年のラスト動画、久々に漫才

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