主人公が人を殺すアニメはコメディになれるか

雑記

いや~物騒なタイトルだわ
フィクションの話ってことで気軽にいきましょう

現実世界のどこかに人死に・殺人は起こるし
バカバカしい笑いも存在する
ただ実際死を目の当たりにしたらそれが赤の他人だろうと
すぐにはバカ笑いする気分になれない
時間・空間に多少の隔たりを要するのが普通です

フィクションにおいても同一作品に両立させるのは難しい
視聴者の気分がついて来られないもん
主人公自ら手を下すタイプとなるとなおさらですよ

もちろん私利私欲の悪人はほとんど主役にならない、
大半は戦争や戦闘の“やらなきゃやられる”大義のある環境です
デスノートみたいなのはレアケース
(先に挑発したのLだし捕まったらほぼ死と考えると必然感もあるけど
見た目の印象が黒いんだよな)

ロボットアニメのくくりでも
人類の敵から守る正義の戦いっぽいマジンガーZとかより
直接交流して敵も生身の人間であるとひしひし伝わるガンダム系の方が空気は重い

マクロスが面白い位置で
宇宙人相手だけど外見人間になるしまともにコミュニケーションできて中間的
理解を深めるほど斬り捨て御免とはいかなくなるのね

その中にあってマクロス7はバサラが戦場出ても歌うだけで攻撃しないので
作品のカラーがずいぶん陽気でしょ
シリアスな場面はありつつベースが明るい

ちょっと攻めた印象なのがコードギアス
血族の争い・支配からの解放という過酷な戦闘をしながら
ほのぼの学園生活をやった
見てて熱中しつつ多少の違和感はあったよw

進撃の巨人の場合笑える場面が存外多い
でもそれは死が日常にある緊張感の中の張りつめた笑いの類で
決して作品全体の空気がコメディに傾くことはない(スピンオフは知らん)

戦争ものから離れるとルパン3世は示唆的
ハードボイルドでシニカル、ときには殺す青ルパンと
ポップなファミリーエンタメ、虫も殺さない赤ルパンの対比ですよ
(そもそも1世のことを考えるとご法度なのでは…)

そして思い当たる中で最も両立してるのがシティハンター
戦うときはとことんシビアに
ふざけるときはとことんおバカにというのが
冴羽獠の特徴であり同時に作品の持ち味であると言えるでしょう

元殺し屋のパターンだと暗殺教室ザ・ファブル
時空間の隔たりがあるためギャグシーンをとても軽い気分で楽しめる
ただ(訳アリとはいえ)大勢殺した人間が幸せなまま平穏に終わっていいのかという
道徳的な圧を考慮してラストで帳尻合わせがちなイメージがありますね

この点スパイファミリーは母が現役の殺し屋で
全体としてはわりとコメディ、クレヨンしんちゃんくらいの弾けっぷりなのに
殺傷シーンぼかさずしっかり描くのは驚きでした
さすがにアニメの方は表現マイルドになってるか
コナン君なんかも子どもが見る&明るい雰囲気の割に死体エグいけど
正当防衛でも味方側の大人が加害者になるケースないもんね

ヨル(母)が生き方見つめ直す描写あるから
今後心情が変わって引退に向かう展開上“ビフォー”をしっかり見せたいってとこなのかな

逆転裁判とダンガンロンパの雰囲気がこんなに分かれるのも
主人公の仲間が殺す側を兼ねるか兼ねないかの差に一因があると言えるかもしれません。

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