『往復書簡』

文字通り手紙のやりとりだけで展開する物語中編3本
そのためどうしても妙に説明的な言い回しが出てきますがそこはご容赦
過去を遡ると事件の香りがしてきてきっちりハラハラさせてくれます
ただ「イヤミス」なんて言われることへの反抗か案外希望のある仕上がりに(失礼?)

1本目は結婚式で再会した元放送部仲間のお話
伏線とおぼしき情報が多く一生懸命確認しながら読んでたため
(中編なので)本の途中で終わって愕然としました
この密度で情報詰め込まれるときついw
遊び球なしの全部勝負球って印象です
まあ同じような別の本あるよって言われたら読むけども

2本目は引退した先生が過去の事件の影響を元教え子に調べてもらうお話
手紙ものというより連続インタビューもの、戦火の勇気や永遠の0寄りの印象です
“その後”をどう生きたかって意味では同じ湊かなえの贖罪にも通じます(聖職者も?)
やはり一人一人の受け止め方の違いが魅力
ちなみにこの主人公前の話で一瞬出てくるけどこんな薄いリンクならいらないなあ

3本目は海外ボランティアに行った青年と婚約者のお話
他に通信手段のない地域の遠距離恋愛ってことで手紙の使用が1番自然かな
記憶の欠落・意識喪失の空白・真相の二転三転っぷりがまるで逆転裁判です
現地の描写も興味深く、長編1冊に膨らませられるだけの要素が詰まってるかと
しかし2人が人として美しすぎて眩しい…
とか言ってないで見習っていきましょう。

タイトルとURLをコピーしました