『メビウスの殺人』

3兄弟妹のシリーズ3作目
最初のは昔読んだ気がする

無差別連続殺人事件を犯人・警察両サイドから描いてて
フィクションだし、と割り切ったぶっとんだ設定でも地に足はついてる
ラノベの軽快さがありつつ本格志向の大人も楽しめるライン
そしてメタフィクションやサウンドノベルには最適の作家だよなと再認識

地の文で推理小説好きにろくな奴はいないとか言ってみたり
現役の刑事がダイイングメッセージが何か知らなかったり
(まあ現実にメッセージ残されてるケース稀だろうしあり得なくはないのか)

ABC殺人事件あたりが念頭にありそうな大枠で
小技を散りばめつつ結末はなかなかの荒技
もうちょっと伏線あるとより受け入れられやすくなるかな
(私が見落としただけ説あるからこの手の指摘は怖い)

犯人当てやトリック推理はないものの
背景にある思考(ミッシングリンク)が謎としてどーんと提示されて
簡潔で意地悪さのない難易度なので
昨今でいう小学生から解けるナゾトキの風情があるかも

で何度も言及して恐縮ながらA MASKED BALLの解説で
デジタル時代・見知らぬ相手との非デジタルなやりとりの扱い方を褒めてたけど
自分はもっと早い時期にしっかり対応してるじゃんと

あとインターネット黎明期の描写に時代感が強くあります
当時のコンピュータの詳細については調査を行ったのか元々知見があったのか。

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