『ドラゴン桜』

マンガ

ドラマ化も注目を集めた新手の切り口の良作
高校再建のプロジェクトとして東大合格者を輩出するべく創設された
特進クラス(2人)の受験勉強と成長の1年だけを描いた物語
なんとも潔い

東京大学の特性にがっつり照準を合わせてはいるが
受験や勉強、さらには人間の育成全般に通じる内容が多く実用性がある
というか実用性を除いても成長ってワクワクして見られるテーマだし
反抗しつつ素直さのある子は実に微笑ましく見られる(これはおっさん視点か)
要はボーっと読んでもちゃんと楽しいってことです

請負人兼講師の桜木が次々放つ教育論は断定的・独善的であり
それはちょっとどうなのと思う方も多そうですが
明確なヴィジョンで緻密な教育ができてる環境では暴論でも
抽象論や言い訳が先行し停滞してる場では
力強くわかりやすい方向を示すことは大いに有意義だと思います
本作の舞台である破綻寸前の学校もまさにそれ
(究極的には軍事クーデターも同様の理屈なので良識の線引きは要るのかな…)

教師陣の何人かは疑って文句を言いつつもなんだかんだ従ってくれて
自分が誤ったと気づくと認められる度量があるのがよかったわ
井野先生とかだんだん好きになっちゃいましたよw

娯楽しながら思考力がつくってことで
全国の中~高校に寄贈したいすばらしい作品です

なお
どう見ても絵のクセがすごい
この規模売れてるマンガの中ではデザイン・デッサンともにトップレベルにアレです
ついでにドイツ人(?)教師のセリフの語尾もひどい

それでも内容がしっかりあるから問題にならない
むしろ絵の個性が味になってくるから(福本マンガのように)
分業して得意な人に描いてもらうのが必ずしも正解とは限らないということを
教えてくれてると言えるかもしれません

昨今キャラ全員が見た目かわいくて
その世界で誰が美しいポジションなのかをセリフから知ることがわりとありますが
逆に全員美しくない中でこの体験をするのはとても新鮮でした(失礼すぎる)

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