『ピアノの森』

マンガ

これは生涯で5本の指に入る傑作
大人が読めるのはもちろん子どもにめっちゃ読んでほしい
全国の図書館や児童施設に寄贈しまくりたい

すこぶるガラの悪いエリア“森の端”で育った少年カイが
森に捨てられてた訳ありのピアノをおもちゃに弾くところから
多くの人との出会いを経て世界に羽ばたいていく物語で
もう人間の温かみがすごい

本音でぶつかるからこそすれ違うこともあるけど
根底に相手を思いやる気持ちがあれば大丈夫
だと教えてくれます

娼婦や反社っぽい人たち、世間からの差別など
少年時代の登場人物の描写が厚く
半年かけて朝ドラでやれそうな充実した内容です

対照的な環境のライバル雨宮や悲劇の恩師アジノとの交流を軸に
(無音だけど)美しい音楽で魅せる
これだけやってくれれば王道もきれいごとも気にならないってもんです

人間に卑小さがある一方で
それを乗り越え包み込む大きな愛があると感じられる名作、超推しです
昨今のマンガとしては絵が素朴な方ですが
要所は押さえてますし程よいふるいになるかもしれません(失礼)

ちなみにタイトルが森のピアノでなくピアノの森なのは
思ったより森の比重が大きいのかな、とちょっと思索・議論できそうですね。

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