『チルドレン』

陣内という濃厚なキャラクターを軸にしたオムニバス
中心人物の出番の量やエピソードの見せ方からして
わりと長編色強めの短編集

彼の職業(裁判官で相談員)のため非行少年少女が大きめのテーマとしてあり
社会的に問題を喚起しつつドラマとしても魅せる
ミステリ調ではないが伏線回収的な謎解き要素が強い理系的な構成、
一方調査の要りそうな専門情報や法律知識の話も…と思ったらこの人法学部出身なのな
そのへんは舞台の仙台同様元々知ってた領域なのかも

盲目の青年永瀬が探偵ポジションで活躍し
(たまに)核心を突く男陣内との交流を通じて
障害者との接し方についても考えさせてくれます

できすぎた話でリアリティが弱まるのは社会派作品としてはややマイナスですが
別にいいじゃないかと思えるくらいには全編楽しめます
ツッコミ過多な世の中にはもっとこういうボケ要員が必要なんでしょうね

ただやっぱり伊坂幸太郎の文は読みにくいんだ…
文の流れからのイメージと逆のワードが出たり
脳内の画が間違ってたと気づいたりで確認のためたびたび本を遡るのは
個人的な相性の問題なのかな~

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