『STEINS;GATE』

ゲーム 旧サイトより統合

YU-NOバタフライ・エフェクト大好きな私なので、このタイトルは「客観的に面白い」
かつ「個人的に好物」という確信をもちつつしばらく積んでました
期待どおりのプレイ後感が新鮮なうちに感謝の感想文(レビュー)上げます
すばらしい作品をありがとう!ネタバレはたぶんうっすら

でも褒めて終わるためにあえて先にダメ出しから

オタ色濃すぎ。オカリンの中二病とダルで既にお腹いっぱい
キャラ全般にオタ色充満してるせいでせっかくの傑作なのに
一般層にとってのハードルがめちゃ上がってしまった
まあ一般層がADVやるかって考えると始めから見切るのも手だけど、
少なくともクリスのねらー設定はいらなかった
もともと全然違う世界・価値観にいた方が親密になる過程で落差でるじゃん
それが「最初から仲良しだろ」って感じにしか見えなかったのはもったいない

クリスのツンデレっぷりも極端で違和感しかなかった
しかもねらー設定のせいでわかってて・計算でやってることになっちゃうのよね
イエローカード2枚目

ゲーム的には印象工夫してるものの基本ほぼ一本道のいわゆる紙芝居、
かつ最後は攻略情報見ないと行けない
個人的には面白ければ全然気にならないけどこれも人によってはNGかな

逆に伏線回収しつつ大盛り上がりのラストは評判よさそうなところ
私はちょっと冷静に見てしまった
なんかできすぎた話ってああフィクションだもんねって思ったり
作者がドヤってるの感じたりしてしまう性質で(ハッピーエンドが嫌いな訳ではない)、
宮部みゆきで言うとレベル7よりスナーク狩りが断然好き。例えが込み入ったな

あとは褒めるぞ

まずこの手のタイムトラベルものの最初の肝って、
いかにタイムマシンをリアルに登場させるかだと思うの
それで没入感が大きく変わってくる

その点本作は偶然の出来事からメールだけ送れる・意識だけ送れるなど
試行錯誤して改良するプロセスが丁寧で美しい
レビューで序盤が長いとかしばらく我慢しろとかちらほら見かけるけど、
ネットスラング慣れしてるタイムマシン好き的には最初からずっと熱中できて、
連休前に始めればよかったと思ったくらい

アトラクタフィールドって概念によって、
変えられる運命と変えられない運命を書き分けたり
変わったはずが変わらない辻褄合わせしたりするのもキレイ
巷では相当考察されててこのジャンルの需要と壁の高さを再認識
もう深追いする体力はないがw
これも行き着くとこは「時間は可逆、歴史は不可逆」かな

キャラはまゆりが秀逸
正直アホの子ってちょっとうざい印象でもまゆりの場合すごい機能してるのね
殺伐とした空気を和ませるのはもちろん、
オカリンの中二病設定を受け入れて加勢したかと思いきや、
逆にネタにマジレスする形で(意図せず)茶化しもしてくれる、万能文化猫娘

さらに中二病設定に全力で乗っかるフェイリスのおかげで
未来人感ダダ漏れのタイターが浮かないという陰のファインプレー(隠せてはない)

そもそも中二病キャラって、
根拠のない自信→挫折→大言壮語を本物にするぞ展開が見えるのと、
作者がカッコいい言い回しを使いたい言い訳感あるけども
そうなった経緯ストーリーに織り込まれたら文句つけられないわ。見事
主人公によくある薄個性&声なしよりずっとよかった

構成的には基本の一本道以外はキャラごとのバッドエンドがちょっとあるだけ、
といってもバッドなんて一言で簡単に片づけられないくらいそれぞれの展開が重厚
そしてそれを回避するためプレイヤーに決断を迫る手法は、
ゲームというメディアの特性を最大限発揮してる
みんなオカリンと同じ葛藤と重みを背負ったよね
それも選択肢から選ぶじゃなく自ら行動するorできないで分岐するのはほんと醍醐味

そしてこのゲームがポケベルの登場から携帯電話が普及してスマホに移行する間の、
この時期しかないってタイミングで作られたこともまた、
運命石の扉の選択と思えるんだなあ。エル・プサイ・コングルゥ

作品の総量では負けるものの1つの物語を楽しむメディアとして、
映画やドラマはもちろん小説・マンガよりやっぱりゲームが至高だと再認識したわ
自分でもどんどん書きたい

ゼロとカオスヘッドは見てみようかなー

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