『天空の蜂』

映画・ドラマ

東日本大震災よりずっと前に書かれた原発危機ものです
原発×テロとくれば十分物騒ですが、殺人事件じゃないのはちょっと珍しいかな
全体に専門的な描写が多く読みづらい点・キャラの個性が薄く把握しづらい点は実写向きか
犯人が意図した蜂の一刺しが同時に読者にも向けられているのは皆さんおわかりでしょう

リアルに寄った分淡白でもあるので
圧倒的にドラマをもってる犯人側を思い切って掘り下げてもよかった
なんだかんだ言いつつすばらしい本ですけどね

画的にも尺的にも映画向きだな
あれそういや映画見たことあるぞ
でも全然印象にないぞwということでもう1回見ました
続けて見ると変更点がよくわかります

すごくベタに肉付けして散漫になってる(印象残らんわけだ)
主人公影薄いから目立たせたいのはわかるけど
この本の魅力って何より原発の物語であることなんですよ
家族の絆が前に出てきてそれが薄れてる

で原作は犯人2人が原発・ラジコンと役割分担してたのに
ラジコンの雑賀が出しゃばって三島の存在意義が薄れてる
しかも雑賀が無駄に爆破したり刺したり悪目立ちするわ無精ひげが妙に整ってるわ
三島が何故かヘリの軍事利用にキレるわ愛知勢の名古屋弁がくどいわで
とにかく散らかってます

さらに終盤まで引っ張れる訳でもないのに半端に犯人伏せようとするから
描写が減ってより薄い印象に…

なお原発はゆるやかに撤廃をめざす立場です
即時ゼロは現実的でないし火力ならすべてベターでもない
害の少ない発電の開発に応じて置き換えていくべきかと。

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