手ごろな二人称がない

言葉

「あなた」って丁寧で親しい人にも使えるけど
考えてみると目上には使えない
その点で「君(卿)」や「お前」と変わらないと言えるし
「あなた」「お前」と呼び合う男女は案外同格なのかもしれない(知らんよ)

「お前」・「貴様」も元々相手を敬う言い方だったはずなんだよな
時間とともに関係性が反転した
実は「あなた」も意味が反転してく過渡期なのかもしれない

基本的な考えとして
相手を直接表現すると無礼っぽくなる
だから距離をとる、遠ざけるんだわ
貴様はわからんがお前は「御前」だしあなたは「あっちの方」だ
「れる」「られる」が尊敬と受け身を兼ねることには必然性がある
相手を主語にすると無礼になるからだ

そうすると新しい尊敬二人称を開発しても
時間とともに反転することは覚悟しなきゃならんか…

その点英語はミーとユーだけだから
好むと好まざるにかかわらずこれでいくしかない
なまじ種類が豊富ゆえにNG事項が増えてくのは
愛すべき不自由とでも言おうか

そんな訳で「あなた」を使わない代わりに
商売の場では「お客様」を多用する現状がある
一般の客って概念も兼ねててほどよくぼかせるんだな
役所ではちょいちょい「お宅様」を聞いた
市民に対して「客」はちょっと変、「市民様」って言葉は違和感しかない
二人称の「おたく」に様をつけて音を「お客様」に寄せた
なかなかの着地と言える気がする

テレビの一般人インタビューの「お父さん」「お母さん」呼びも原理は同じだろう
「あなた」を言えない、「お客様(お宅様)」もなんか違うってことで
結局苦肉の策なんだなあ。

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