『22世紀の民主主義』

話題の成田悠輔の本
カジュアルな問題提起を砕けた言葉で書いてるが
それでもなかなか小難しい
彼が大衆に歩み寄れるラインはここまでってとこか

選挙の民意反映力が弱いから変えてみたらいいとか
科学技術が進めばもっとこういう風にできるというお話
ネットの普及で国民が劣化したという前提はともかく
民主主義が前々から低成長をもたらすものではなかったという点は興味深い

私も思想の原点に選挙制度の見直しがあって
その意味で通じるものがあるかと当初思った
でもむしろ逆かもしれない

この本は民意が究極的に反映される政治を目指してるのよ
それってかなり大衆を高く評価してないだろうか
ほっといたら世の大半の人は「税金は安く、行政サービスは手厚く」を求めるでしょう
理性的判断でなく身体の率直な反応を読み取るなら尚更だ
現行制度の政治家以上に長期的視野を欠いた判断を連発しかねない

民意が伝わらないのは必ずしもデメリットではないと思う
政治的に判断すべきことは多岐に渡る一方で
私たち一人一人には十分な知識がない(それに無自覚ですらある)
各々の本業の傍らでインプットできる情報量にも限りがある
だからこそ信頼できる人を選んで難しいことを任せるという意義が生まれる

総理大臣を国民の直接投票で決めない形式だって悪手とは限らないでしょ

もっともこれ
一冊まるまる使って皮肉を書き殴ったブラックジョーク企画に見えないこともない
炎上に怯えてるとかウソだろうしw
民主党政権時代みたいに一度身をもって学ぼうぜ、と煽ってるのかも。

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