『トモダチゲーム』

マンガ

またなかなかの問題作
おなじみ頭脳戦的なデスゲーム的なアレです

友だちをキーワードにしてるものの雰囲気はかなりライアーゲーム
ただその手の作品と比べてクール・クレバーには勝たない
ぶっちゃけ設定から戦略まで粗い、危うい戦いが続きます

主人公の捨て身的な狂気のキャラには合ってますし
リアルの勝負事は泥臭いというアプローチは悪くないと思いますが
それにしては風呂敷広げすぎでちゃんと収拾つけられる気がしません…

こういうゲームって金持ちの道楽で裏社会の組織が仕切ってるのが主流なところを
本作は警察も噛んでて表社会にも影響力発揮してきます
つまり個々のゲームと並行して運営の権力の謎が展開する壮大すぎる物語で
明らかに力量のキャパオーバーなんですね
(この詰めすぎ感は最近見た中ではEVE new generationに近い)

たとえばカイジなら金の流れや開催目的がクリアですし
リアルアカウントはテーマがはっきりしてて
超科学な部分も笑って突っ込める余地があるのに対して
非常に物語の輪郭が不安定で脆く見えます

殺すレベルの暴力ナシでいかに恐怖を煽るか、
最終的に優しいという枠の中で主人公をいかに悪人に見せるかを頑張りすぎたか

高校生で過去に3人殺してて役に立たない友だちをケアしながら
手練れの対戦相手や運営に立ち向かうという荒々しさはしかし個性とも言え、
一見無様に負けるようでそれも戦略に組み込まれてるあたり
カイジともちょっと違うカラーです
リアル路線じゃなければもっと違和感なく読めたかなとは思いますが
なんだかんだ劇的で見入るものはあるかと

運営陣が美女祭りなのも眼福な反面テイストには合わず
作品の印象を象徴してると言えますね。

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