『大逆転裁判 -成歩堂龍ノ介の冒險-』

ゲーム

先に言うともちろんの満足
いろいろ項目を挙げて語りたい

明治時代頃を舞台とした逆転裁判で主人公はおそらくナルホドの祖先
基本のパッケージを踏襲しつつ古風で異文化なテイストを満喫
ホームズや夏目漱石が登場し、その関係か
不自然なほど国名を避けてきた過去作と違ってハッキリ実名が出る

捜査においてはまだ指紋がとれない、静止画のカメラはある、
血液は検出できても個人を特定できない(ギリできるが証拠として認められない)、
線条痕とれない、カタギの日本人が銃持ってる等々条件がずいぶん異なる

謎を紐解いていく作品としては制約がプラスに働くと言えるかも
今までのシリーズではできなかったケースを堪能できます

さらに陪審員制度がゲームシステム・シナリオ両面で機能してるのは
さすがビッグタイトルと言える進化でしょう

全体ではやっぱり大きな事件が展開してて
謎・伏線を次作に持ち越す、これは片づかないなとプレイ中に気づきますw
国家を揺るがすレベルの陰謀とかマジで要らない
個々の事件がもう大事(おおごと)なんだから
コメディ要素とキャラの描写に集中してくれというのが私の基本姿勢
ナルホドがいちいちやられたアクションするのも気になり出すと多少うざい
大きく見せるための演出ご苦労さまですと思わないではない

ただ本作は大事件や仲間との死別がある一方で
キャラの明るさやとぼけた空気がシリアスに負けてない、
幸い作品のイメージが暗い・重い方に振れてないんですね
つなぎ位置の4話の存在感も効いてます
このへんがタクシューの持ち味ってことなんでしょうか
原点である「逆転」への意識も垣間見られる

しかしせっかく原点寄りのテイストで時代(科学)設定も昔に遡ってるのに
通常の異議たたきつけモードが減って操作のバリエーションが増えたのは
逆転裁判シリーズ初心者にあんまり優しくない

まあそれは単に本家からやればいいと言うこともできるが
逆にシリーズ経験者前提で考えると難度がかなり低くなるんだな
ポンコツ推理を修正するのはイージーだし
尋問横の人を問い詰めるに至ってはもはや作業です
腕輪の「みぬく」が要求されると思ったらポイント全部教えてくれるんだもの

あと敵をやっつけた感が弱い
のらりくらりかわされたり不慮の事故だったりで
ドラマ性はあるもののちょっと爽快感が弱まったかも
やっぱり壮大な物語を描こうとしたしわ寄せだよなあ

リアリティに関しては異議なし
そもそも霊媒が裁判に組み込まれるシリーズにリアル云々を言うのはナンセンス
1個ずつ問題を解いてゴールにたどり着けるか、楽しませてくれるかが重要なのです

最後にキャラクター
助手のスサトさんは良くも悪くも安定感
元々このポジション和テイストだから新しさはないのよw
語尾の「ですとも」は馴染みあるようで思い当たらない
ゴーストトリックだったかな…

シャーロック・ホームズ
リスペクトされつつそこそこ活躍させつつプレイヤーの参加余地を作る、
目立たせながら主人公は食わない、
既存のヒーローの扱いとして適切な塩梅だったと思う

バンジークス卿
有罪判決より真実の解明を優先する気配を見せてくれた
荘厳さ・エレガントさとやんちゃさのギャップも愛せる
要するに不足なし

成歩堂龍ノ介についてあまり思うところはないが
ちょいちょい語尾に「かしら」つけるのね
それこそ昔明智小五郎とか読んで「昔は男もかしらって言ったんだな」と学んだクチなので
こういう形で再会できるのは嬉しい

ちなみに中古のソフト(箱なしだった)が半壊なのか
本体動かすと止まって「再起動してください」的なメッセージが出て不自由でしかないのを
ファミコン・スーファミ時代みたいだなーと考えると
むしろ風情が感じられる不思議、レトロ。

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