『雪女と蟹を食う』

マンガ

自暴自棄になって強盗に入った家の奥さんもちょうど死ぬ気だったので意気投合して
死ぬ前に一緒に北海道へ蟹を食べに行く物語
蟹って美味くないことはないけど正直値段と手間に見合わないんだよなあ
「タラバガニ剥いちゃいました」の商品化を希望します

それぞれ死に向かう男女の最後の旅で、儚く文学の趣がある
既存の作品になぞらえたり小説化されたものが劇中で出てきたりするのを差っ引いても
活字でいけそうな情緒があります

身体を重ねる描写がわりとある割に画力が発展途上で惜しい気もしますが
あんまりエロくなってもそっちが目立っちゃうし
これはこれで味と言えるかもしれない

後戻りできない状況じゃないから
生きる理由が見つかったらすぐ引き返せるじゃんと思った点に関しても
納得いく形で超えてきてくれたかと

マンガ文化の厚み・多様性に貢献する良作です

あえて言うならキャバ嬢と出会うパートは改善の余地ありかな
基本の状況がかなり都合のいい奇跡なので
奇跡の重ねがけしちゃうとフィクション臭が増すんだわ
作品として味変するにしても男女の関係に発展させない方がよかった。

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