『ハコヅメ~交番女子の逆襲~』

マンガ

警察官の職業ドラマ盛り合わせ
とにかく濃度がエグい

個性強いキャラたちの豊かな言語芸に警察あるあるや法知識を絡めることで
もはや他の追随を許さない域に達してます
作者が元本職と聞いて「ですよね」しか出てこない
(結構自虐もあるし)

この会話を楽しみながら警察の仕事への理解を深めることができる
だけでセールスポイント十分なんですが
ちょいちょい1エピソードの中でトリッキーな仕掛けを施すばかりか
縦軸としても世代を超えた壮大な因縁を描いてくる
そんなに生き急がなくても…と心配になるくらいの詰め込み方です

駆け出しの主人公がペアの先輩(優秀)の指導を受け
様々な現場を経験して成長していくのが物語のベース

美人なのに内面(腕っぷし)がゴリラなためモテない先輩の設定は
よく見るやつでフィクション臭強くてあんまり好きじゃないんですが
絵柄がアーティスト肌じゃない、理詰めと根気系なので案外気にならない(失礼)

それより業務内容ですね
素人的に交通と犯罪捜査って別セクションのイメージないですか
担当は別々で希望が通って異動すると刑事になるみたいな

わりとリアルを描いてると思われる本作で
基本ヘルプ要員とはいえ交番女子が張り込んだり凶悪犯人の取り調べしたりするのは
かなり驚きました
田舎だと小規模な分垣根が低かったりするのかな

しかしほとんど交番にいないのはどうなんだろ
それこそ両津勘吉は勤務時間にビジネスするわ国際犯罪と戦うわで
たぶんリアリティは相当薄いが派出所にはまあまあ居て
こちら~派出所というタイトルの説明責任を果たしてますよw

まあタイトルがズレてること自体は珍しくない話ですが
こんなに用意周到で尋常じゃない熱量をもった作者がここ外すのは腑に落ちない
ほぼ警察署と現場と寮なのに箱詰め交番女子ですよ?
仲のいいおばあちゃんにつけてもらったか出版社の偉い人が強引につけたか
そのあたりだろうと勝手に想像してます

仕事が激務というのはいずこも同じかもですが
体調が悪くても休めない状況や長時間労働は健康を害する上パフォーマンスも落ちる
予算確保して人員増やすことで改善すべき問題なんじゃないかなあ

警察官への親しみアップにはなっても
おそらくリクルーティングにはならない作品ですね…

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