『暗鬼』

嫁ぎ先の大家族に秘密の影がちらほら見える
人を殺したり有害な薬物を栽培したりしてるんじゃないか、
いや思い過ごしなんじゃないか…と闇に迷い込むリアル寄りなホラー

展開はそれだけで視点や時系列が飛んだりしないため
作家の力量をごまかせないガチンコ勝負になる、
それを飽きさせずに最後まで維持してくれます
薬物や洗脳で曖昧になる感覚を読者も共有できるのが○

ただ友人とたびたび会う都合上か舞台が小金井(けっこう街)なので
現実に戻ってこられない的な恐怖感が出にくいのが惜しい
せっかく視点が動かない&狂気の世界なのに
狂気に染まってしまうがゆえに一人称視点で書けないのが惜しい
あと結末の盛り上がりと満足感もなんか物足りない

ただ映像にしたらなかなかパンチのある仕上がりになりそうですよw

なお解説で家族は宗教だと語ってるのはまあわかるが
それを描くのが目的だとしたら特徴は合法の範囲に収めた方が効果的だし
宗教をなくしたから洗脳や犯罪につながったって分析は飛躍しすぎだと思う。

タイトルとURLをコピーしました