『日本の「老後」の正体』

内閣官房参与として注目集め中の高橋洋一の名前を見つけて手に取ってみた一冊
結論としては何の役にも立たない本です

経済の基本的な話から国の借金・年金についての見解を展開、
日銀および財務省をとことん批判

経済って意見が分かれるもので
もし絶対的な正解があるならこんなにいろいろ乱れることもないですよね
その意味で日銀側の言い分、根拠も聞きたいところですが
そこが知りたい肝心のところは書いてない

途中までは丁寧な説明、数値や外国との比較などわりと論理的に見えます
金融緩和・反増税の経済成長で景気を良くして税収を増やすという結論は正しそう…でも
肝心のところで説明がちらかる、専門用語が多く読みづらい

全体に高校生との対話形式で進む本で
高校生がどれくらい新書読むかはともかく
まず理解できないだろうし
逆に理解できるレベルならこの本は要らないでしょう

そもそも架空の高校生に説明するってセンスが寒い
いやそれでも説明がちゃんとしてれば許せますがこの有り様
それでも「よくわかりました!」「君は賢いね」と著者のさじ加減で思いのままです。便利!

だったら本当に高校生連れてきて対話すりゃいいじゃないか
そんな手間も金もかからんでしょ
本人も出版社もその程度気づかなかったのか手を抜いたのか(自信がないのか)
それこそ池上彰は本当に子どもに説明してるじゃん
音喜多駿なんかギャル男連れてきてますよ

なお年金が破綻しないのは最悪足りなくなったら税金もってくるからであって
その分日本本体が危なくなるのではと

少なくとも
・納めた保険料の総額イコール受け取る年金の総額
・マクロ経済スライドで給付額を調整
って、年金が破綻する前にあんたの解説が破綻しとるやんけ

世代人数比が全然違うのに賦課方式でどうやって一定になるのか
現に如実に受給額の世代間格差出てるじゃん!

マスコミが同調してしまうって話はわかる
でも結局大本の、優秀なはずの日銀や財務省が間違え続けてきたのはなぜか
肝心のそこが不明瞭
普通に日本だけ(著者以外)馬鹿だったって解釈でいいの?

頑張って読んだ割に「この人大丈夫か」って不安しか得られませんでした
説明できず結論伝えるだけならわざわざ本出さなくてもツイートで十分です
まあ政治家にしろ官僚にしろ
実務能力があって結果を出してくれるなら口だけ達者よりはるかにマシなので
国民への説明には翻訳者つけることを検討してもいいと思いますよ。

年内最後

自作ゲーム『勇気結合ジーク・ブレイバー3』part29【尾張サービスエリア】
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