『機動戦士ガンダム外伝 THE BLUE DESTINY』

普段本を買うときはだいたい面白い自信(?)がある中
これは完全未知数でハズレでもいいかなんてつもりでしたが
いやいや超良作でした
魅力を書きこぼさないか心配だ…

0080や08小隊のように1年戦争の目立たない部分にクローズしたお話で
セガサターンのゲームのノベライズです

その目立つ部分との関連、歴史の中の位置付けによく配慮して
機械の描写から注釈や考察、年表も充実
ガンダムの世界観に造詣が深い人が書いたのがよくわかります

特にブルーという機体を通してオールドタイプがニュータイプの視点を得ることで
あるいはニュータイプの研究課程や研究者を通して
読者もまた世界観の要であるニュータイプの概念にぐっと迫れるのが最大の魅力

そこに進化を恐れる者の狂気、「蒼」の意味、様々な戦士の生き様など加わって
シンプルなストーリーとは思えない重厚なドラマに仕上がってます

ゲームを遊んでたときは「ガハハハ」と無邪気に楽しく蹂躙したものですが
背景を知って、主人公そんなすごい奴だったのとかそんなシリアスな話だったのとか
見方ががらっと変わりますw
プレイ済みの方はもちろん未プレイの方もセットで知ってほしいなあ

ちなみにゲームやるとニムバスが声のみ出演(速水奨)のため
脳内ヴィジュアルイメージがギニアスと混ざるおそれあり、ご注意を

味だなと感じたのは
機体の外見の描写が妙にまわりくどくて
「あ、主人公ガンダム(の見た目)知らないんだ」って気づいたとき

一人称視点のため、知らない立場からは当然
「頭部がガンダム」って表現は出てこないと
なるほどー

そしてお守りの件をもったいぶる中
すぐわかった自分は確実におっさん寄りのガンダム視聴者熟練兵側だと思いました。

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