『推しの子』イッキ読み

マンガ

さあいろいろ語るぞ

アイドルの息子に転生した主人公が
母の死の真相を探るため芸能界でのし上がってく話

正直アイドルと転生両方苦手で
しかも真相を追う形と聞いて(連載追いながら)見る気にならず
このたび完結したと聞いて勉強を兼ねて着手

だるいなと思いながらも
もう少しあと少し~と進めるうちに軌道に乗って読み切った
苦手なりに楽しめて学びもあったよ
非難轟轟の最終話・終わり方については後述(つまりネタバレ有)
わりと順当な着地かなと思っている

要は美しい外見・医者の頭脳・業界知識とパイプを少々所持した状態で
芸能界を“つよくてニューゲーム”する話で
親の仇を探すという目的とシリアスさのおかげで
私のような遠い層にもリーチできる
「エリートのサクセスストーリーなんて知らんわ」を回避できる

しかも正体のわからない父親(母殺しに関わってる可能性がある)を探す上で
自分自身のDNAを活用できる
実に見事な設定と言えます

これを縦軸に様々な現場を掘り下げ
(恋愛リアリティショーやマンガの実写化といった
記憶に新しいセンシティブな事案も)
問題解決してステップアップしてく
妹がいることでアイドル周辺のテーマも定期的に拾える

もちろん実態は知らないけど
わりと業界のリアルに準拠してると思われる
昭和ほど露骨じゃないまでも歪さ無情さが随所に出る

あとやっぱり大金が動いて多くの人が関わる場だから
そりゃ事故は起こる、事態が複雑にほつれもするよなと

この横軸とキャラ描写が充実してて
盛り上がりすぎたのが作り手と読み手のズレに繋がったのでは

しかし縦軸の方があくまでメインだった
だから主人公退場の後が淡白なのは不自然じゃないし
合法的に排除できない敵に対する策としては順当と言える

そして誰を選んでも選ばなくても遺恨が残るしw
アッパレ戦国大合戦のような
一度死んだはずの者が猶予をもらって
役目を果たしてから去るという形にまとまる

何より残されたルビーが
嘘をまとって輝くアイドルとして完成されるのは
本作にふさわしい美しく締まった結末じゃないだろうか

そんなに伏線放置された印象もない
転生自体ファンタジーなんだから理路整然とした解説はいらない、
ぼかしたままでいい
まあビデオレターはもっと掘ってくれてもよかったかな…

カップリングや不幸な終わり方に不満が噴出するのは
読者がキャラや作品を深く愛した反動でもあり
作り手はポジティブに受け止めればいいと思いますよ

なおアイドルの恋愛禁止に関しては
それも給料のうちだろと

特に昨今は高額貢がせるビジネスモデルでやってる訳でもう水商売と変わらん
ホストやキャバ嬢が客に襲われたら
そりゃ当然襲う奴が悪いが
貢がせ方によっては同情されにくいわな。

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