『加治隆介の議』

マンガ

弘兼憲史によるゴリゴリの政治マンガ
息子が島耕作にクロスオーバーするから年代はちょっと前?
息子島より若いし何とも言えんな…

島の方もちょいちょい政治家と接触するけど
本筋ではないってことで実名に近いノリで出てくるのに対して
こっちは全体に独自の人物造形

とはいえ現実の選挙制度改革や政界再編をなぞる形で展開するし
なんとなくあの党・あの人っぽいなという要素は見える

日本と諸外国の関係や憲法上の制約、
有事のシミュレーション等勉強になる内容をドラマチックに魅せる
政治的な駆け引きに陰謀の解明までてんこ盛りです

加治は家族の後を継ぐ形で政界入りするため
正論を前面に出し、出世欲が薄く
教養と一般社会の良識に優れる(愛人いるけど)
まさに「こんな政治家いてほしいなあ」を体現したような存在

しかし個々の言動をひも解いてみるとそれほど超人的な訳ではない、
当たり前のこと・理にかなったことの積み重ねであることに気づく
保身なく当たり前のことを毅然と打ち出してくれるだけの政治家が
実在し得ない理想の存在
だってのは
なかなか絶望的な話ですね

小池百合子の希望の塾で受講したときは
なんで漫画家が講師に?と謎でしたが
これだけ見識あれば余裕だなと納得しました。

タイトルとURLをコピーしました