歌劇というものに違和感を示すわりに正塚晴彦、
その作品には歌が多い(高橋城のおかげで質もいい)
BLUFFが出世作となった久世星佳の退団公演によくめぐり合わせました
後を真琴つばさに託し愛する故郷を旅立っていくという
役者と役のシンクロする物語です
双子二役の入れ替わりは鮮やか
初日は元日のテレビ生放送で
放り投げられた壺を千紘れいかがキャッチしそこねるハプニングもありました
解散の危機を迎える使用人衆の図はなんだかエールの残照を思い出す・・
ってか汝鳥伶は執事が似合い過ぎる件
プーシキン原作では冬の嵐(スペードの女王)もよかった
あれが美月亜優の伯爵夫人の賜物だったように
当作(大尉の娘)は紫吹淳のプガチョフに尽きます
歴代屈指のダンサー紫吹淳、芝居でも2番手にしてこの風格は特筆に値する
コサックの反乱する不穏でロシア情緒あふれる舞台に
対立する陣営の男たちの特殊な友情が展開、
雪の中馬車で2人語り合うところはまた屈指の名場面です
そして樹里咲穂はまた裏切ります
タイトル弱いのが惜しいけどここプガチョフに寄ると完全に主役食っちゃうか・・
宝塚という華やかな世界にあって正塚晴彦はクーデターだのゲリラだの
夢と対極の世界を書きがちです(だがそれがいい)
当作も南米で武器の密輸やソ連いじりなど全開の正塚ワールドが堪能できます
それでも本公演だけあって、殺伐とした中にも希望を見い出すあたたかさがある
その歌がまたいいんだな
ツンツンしたシスターの白城あやか(現中山秀征夫人)の心が開いていく様子も素敵
秋…冬への前奏曲でガンガン死なせたので今度は生き残らせたなんて聞いたような
イギリス軍にいたアイルランドの伯爵とアイルランド独立を目指す義勇軍が
抑圧された苦しい時代を懸命に生きる感じの、子守歌や民謡の調べに乗せた物語です
口に出して言いたい名台詞てんこ盛りで心に沁みる
天海祐希もこの役の優しい包み込みっぷりははまったし
相手役の麻乃佳世(当社イチ推し)もこの気丈な役が1番好き
ロンドン公演と同時期のため
真琴つばさら遠征組が抜けたバージョンと帰ってきたバージョンが楽しめます
オープニング曲を谷村新司が作ったことも話題に
しかし軍で大佐ってことは設定上、伯爵そこそこおっさんか?
