『手羽先人生』

マンガ

あんまり読み切りまでレビュー書かないんだけども
これは「おっ」と思った

体感時間を早くできる道具を入手した少年が
つまらない時間を早送り早送りしてやがて大事なことに気づく話
大枠はドラえもんの「タイムワープリール」にかなり近い
(子ども心に恐怖を刻まれたエピソードw
1回見ただけでずっと忘れられん)

早送りした間に見聞きした情報や技能の扱いがあいまいで
設定的に少し引っかかりつつも
グイグイ魅せてくれて気にはならない

人間関係や象徴的なアイテム(手羽先)でしっかり独自の色がついてるので
似てる物語があっても問題ない
(似せる気がなくても独自要素が少ないと
「ほぼ同じだなあ」って感想にはなっちゃうのよね)

倍速視聴に象徴されるタイパ重視の価値観を作品の中心に組み込んで
真っ向から描いてる姿勢にグッとくる
私も昔から効率重視派だし方向性は否定しないけど
「それって本当にタイパいいのか」「幸せな人生にとってプラスになってるのか」は
よく疑問に感じておるところです

そして本作
希望のある明るい終わり方ではあるものの
失われたものは取り戻せない、100%ハッピーエンドじゃないのがまた印象に残る

さらに言うと
こんな特殊なアイテム持ち出さなくても結局
私たちの人生も同じなんだよな
早く過ぎろと思ってた時間に味わいがあった、大事だったと気づいても
後から取り戻すことはできない

そういうのって若い頃は特に気づきにくいから
マンガで表現してくれるのはとても有意義だと言える
あとドラえもんはすごい。

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