『逆転裁判6』

ゲーム

逆裁シリーズ堂々の完結(たぶん)
幾分ネタバレ不可避です
序章エントリーもどうぞ

主人公が後付けされた設定としては創作業界全般でも最大級でしょう
前作で親友が付与されたのに加えて
本作では異国育ち・生みと育ての親がどっさり乗りました
逆転検事2も御剣のオトンの時代を盛大に掘り下げましたが
オトンの設定は初代の時点で語られてるのでやはり格が違います

それでも破綻なく繋がってて(たぶん)
4からの新展開の決着、別れた仲間との再会だけでなく
シリーズ通しての弁護士という存在そのものを問い
霊媒のルーツをたどる“全部乗せ”感からは
これが集大成というスタッフの意気込みが暑苦しいほど伝わってきます
また旧友との対決に始まり呪縛を解いてやるという展開は
初代(成歩堂VS御剣)への原点回帰ともとれますね

そんな訳で
盛大で劇的で面白いのは間違いない
日本語⇔クライン語の翻訳どうなってんのとか
託宣より霊媒して直接訊いた方が確実じゃね?とか
突っ込むのがヤボなくらいすばらしい、のだけれど
(前も言ったとおり)俺の見たい逆転裁判はこっちじゃない…

壮大じゃなくていいんだよ
軽いノリで笑い飛ばしたいんだ

3や検事2のまとまりが良すぎて成功体験追っちゃうのかな
坊さんの壮絶さなんかもはやダンガンロンパの世界観で
裁判やるごとに命賭けさせられる重さも然り

さて詳細へ

いろいろ彷彿とさせるタイトルを全部挙げることはしませんが
特に避けて通れないのはマイノリティ・リポートでしょう
犯行の瞬間を映像化する能力と逆手に取った工作が本作目玉の新システムで
それを司り毎回2分近い舞を披露してくれるのが
姫巫女レイファ様です(レイファンではない)

当初偉そうな見た目と態度に
クリムゾン枠のキャラかと期待したものの
すぐ虚勢がはがれ、しかも小娘だと判明したため見直し
(クリムゾン枠はやっぱりメイが筆頭)
動物園がないことに対して「つまらんのう」と本音が漏れたシーンがすごい好きw

熱かったのはついにマヨイと再会して
定位置(弁護士の隣)に迎えたときで
「そうそう、これが逆転裁判だよ」と感慨

さらに皆が見つめる中霊媒を決めるシーンは鳥肌、
からの坊さん化でバカ笑いでした
(半裸のまま元に戻ってキャー的な展開かと思ったけど
シリアスでそんな空気じゃなかった)
助手参加がここだけだったのは実に残念です

なお彼女が容疑かけられたりさらわれたりするのはよくあることなので
そこは特に感慨なかったですね

ただ5話は結局人質が自力で脱出して日本へ旅した後
自ら人質に戻りにいった形になるのはスルーしていいのか…

身内を亡くした人に経験者として寄り添う感じが続いて再認識したのが
このシリーズのキャラの身内殺され率が高すぎること
犯罪都市米花町民もハダシで逃げ出すでしょう
さらに殺人容疑かけられ率や
身内が殺人犯のケースも加えると恐ろしいことに…

なのでせめて生きてる人は名乗り出てほしいと思ってたら
エンディングでさらっと触れられてホッとしました

続いて気になったポイント

前作5が難度低めだった反動か裁判パートはなかなかハード
しかも謎が入り組んでて二転三転したりすると
事件の全体像を見失うのが難点です
(わかってるのかヒントとコンティニューは親切)

また最後にラスボス感満載のラスボスがどっしり控えてるから
プロデューサーとか政治家あんなにヤな奴感出さなくてよかったんじゃないかな
何ならナユタも結構不快だからねw
ってか一座への憎悪は結局ただの逆恨みだったんだろうか(腑に落ちない)

そのへん余計に作品全体の空気重くなる中
ダッツの陽気さは救い、一人で奮闘してくれたと思う
地味にドゥルクより年上なのよ
年相応の落ち着きなんてガン無視のダッツがMVPです

あと相貌失認て別に顔がのっぺらぼうに見える症状じゃないんだよな
たとえばペンギンの群れとか、個体の識別ができないだけで顔自体は見えるじゃん
そういうアレです
なんか誤解与えそうだなと
某打越作品で「顔が見たかったんだ」みたいなセリフ見たときも同じこと思ったわ

それと今回はつなぎ位置の4話がちょっと弱かった
正直ここナユタじゃなくてよかったんじゃないかって話をしたい

だってこの人2話から日本→クライン→日本→クラインって移動しすぎなのね
しかも3話で国に衝撃が走って革命の気運が、ってときに
わざわざ出向いてくるほどの大事件か?と

この距離感縮めると最後の別れも軽くなっちゃうし(台湾くらいの距離かな、みたいな)
ぶっちゃけ彼歴代メイン検事に比べて魅力弱くないですか

縛られてる分しょうがない部分あるけど
ここ来日しなくても出番十分ってことで
他のベターな人選を考えてみる

①ユガミ→ココネを助けるポジションで参加させたい
②ガリュウ→優しいため戦い感が弱まりそう(女には特に優しそう)
でもグラフィック作成済みだから省エネ
③ゴドー→雰囲気ユガミとかぶる、健康状態が心配
④メイ→ベストチョイス!

ってな具合で、メイ出したらもっと盛り上がったと思う
ココネの鞭打たれる画も見られるし
…のが本命なのですが、もう1人思い当たるダークホースがいました

検事2のイチヤナギ君ですよ
ボンボンの彼が覚醒した後年月を経て
(間抜けさを残しつつ)立派に成長した姿を見せてくれたら意外性があって
過去作の宣伝にもなったんじゃないかと

いろいろ言いましたが存分に堪能したのは確かです
成歩堂龍一や倉院流霊媒道を名付けた段階では想像もしなかっただろう世界を
よくこれだけ広げたなあと感心するばかり

ただ「龍は屈せず」など龍推しで来たのに龍一の名前に触れなかったのと
龍の紋章は勾玉の反転だ、って話がなかったのは意外でした
深読み過剰かな。

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