『22年目の告白-私が殺人犯です-』

映画・ドラマ

イマイチかなと思ったら印象どんどん巻き返してきた
満足の良作
ネタバレは多少する

連続殺人事件の時効を迎えた犯人が著書とともに堂々世に出てくる話で
個々の要素は特に奇抜じゃないんだけど
本を出す犯人や時効といったテーマをバランスよく物語の形にしてる
テレビに協力させて生放送でやりとりするあたりは
デスノート思い出してワクワクしましたよ

藤原竜也のポジション藁の楯みたいじゃんと見せかけて
ちゃんと裏切りがあった
時効間際の駆け引きやトラウマを抱えた(死を望む節のある)犯人というのは
日本の刑事ドラマ的な慣れ親しんだテイスト(元は韓国映画らしい)
露骨めのわかりやすい描写も込みで

犯人が本出してニュースにはなっても
そんなに売れるか?ってのが最大の引っかかりポイント
娯楽の種類が少なくてコンプラやリテラシーの薄かった昭和ならまだしも
本が売れた上にスターに、ってのは不自然
メディアが協力してフェイクニュースを流してくれたという線も苦しい

殺されたどころか死んでると断定できないのに
決め打って時効のタイミングで自殺するのも強引
ついでにオチも蛇足
…でもまあ全体として興味を惹いてくれる仕上がりだったから
それはそれだなと割り切れる

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実際のところ
犯人が本出して儲かるとは考えにくいんだよな
法的に裁けないからって
遺族や義憤に駆られた人が有罪覚悟で襲ってくるリスクはある訳で
セキュリティに金かかり続けることを考えると
特に顔と名前の公表はあり得ないわ

あるとしたら劇場型すぎて利益度外視とか
殺されても構わないと思ってるケースくらいじゃないかな

表現の自由の観点でも
今日日ブログ・SNS・動画等簡単に個人で発信する術がある中
出版だけ取り締まっても意味が薄い
利益も薄いだろうに批判覚悟で出版する会社はむしろ
気骨があると言えるかもしれない

あと時効については
「いったん捜査を止めるけど新たな手がかりが見つかったら再始動する」でいいんじゃない?
裁判もそれでやり直したりするし
いったん止めるならリソース有限問題もケアできるでしょ。

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