『あぐり』

映画・ドラマ

昔わりと好きだった朝ドラを再度見ましたよ
結構覚えてるね
麻乃佳世出てるのに覚えてなかったのはまさに不覚でしたが

あぐり、名前のチョイスとしては
anglyやuglyのネガティブワードが浮かびそうなところ
agriculture、農業と言ってみせるのがいい

実在の人物吉行あぐりの半生を描いたもので(当時存命&長生き)
作家の夫との独特な関係と美容師の仕事が物語の軸
当時から好きだなあ野村萬斎

お互い信頼し合いながらそれぞれ自由に生きてて(慢性的に夫が所在不明)
現代でもかなり奇妙に見える夫婦なので
当時周囲に与えた困惑は相当なものだったでしょう
あれは先取りしてたよなあ、と言える未来が来るといいなと思う

終始あぐりの明るさ・行動力・鈍感力が際立つようで
他の人たちも全体的に遠慮なくズケズケもの言うんだなw
でもやっぱり本音でぶつかるってのは
わかり合うことにつながる、最終的にいい方向に行きやすいと感じられます

気になったのは脚本が露骨に戦後の視点、
日本軍さえなければ戦争は起こらなかったかのような論調なこと

作家たちも若者たちも「ここさえ乗り切れば自由な時代が来る」と確信してるんですが
力なき者は容赦なく支配されるあの世界で
負けて敵国に踏みにじられない未来・勝って軍が穏健化する未来のどちらも
なかなか期待できるもんじゃないでしょう

中国映画で「あと○年で戦争が終わるまでもう少し頑張れ」みたいなセリフがあるのを
なんかの番組で突っ込みつつ紹介してた覚えがある
実質あれと大差ないんじゃねえかな

原作は自伝的な本で
生まれた年からするとこんなに戦後教育色に染まってるとは考えにくいし
機会があったら読み比べてみたいですねー

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