『蒲田行進曲』

ラーメンズのネタでちょっと触れたことのあるタイトルの元ネタ
さらに元ネタの曲があるらしい

スター俳優と万年引き立て役たちの変わった信頼関係と
そこに押し付けられた元第一線女優の物語

舞台や映画の世界で必死に生きる、古き良き時代の人たちの息づかいや空気感に
とにかくキャラクターのクセが強くて魅力的で(一人称視点なのがさらに味わいアップ)
感情の流れが読めないw
その読めなさ不条理さはある種人間らしさとも感じられますが
言い方を変えるとスムーズに入ってこないということ

あれ?さっきのセリフ解釈間違えたか、と戻って読み直すこと再三
世界観とかしっかり仕上がってるのに惜しいなと思ったら
巻末の解説で腑に落ちました、これ舞台作品のノベライズなんですね
舞台ならセリフの抑揚や表情・しぐさで感情の流れを表現できても小説は別物

作者はもちろん、直木賞に選考したメンバーも
舞台とか見て事前に内容知ってたんじゃねえかなこれ
説明不足感あって初見ではなかなかしんどい気がする
ラーメンズ風に言えば「我々はこれを完成品と認めない!」です

あとヤスが小心の憎めない奴かと思いきや
女に対してや地元だと急に偉そうになるのが
まあそういうのが許される時代だったのかもだけど
あんまり気分いいもんじゃないですねー

ちなみに馬面でブ男のヤス役、
1980年の舞台初演で柄本明がやったポジションを
20年後の再演では草彅剛・風間俊介とジャニーズに振ってしまうあたりにも
業界のやり方の変化が表れてると思います

この時代の関係者たちが見たらどう感じるんでしょうね…

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